マッサージは、身体に触れる前から始まっています
「マッサージを学びたい」
そう思ったとき、多くの方が最初にイメージするのは、手技を覚えることではないでしょうか。
筋肉をほぐす方法、圧のかけ方、手の動かし方、施術の順番。
もちろん、これらはセラピストにとって大切な技術です。
しかし、お客様に長く信頼されるセラピストになるためには、もう一つ身につけたい力があります。
それが、施術前に身体を観察する力です。
吉祥寺セラピストスクールでは、「見る・触れる・考える」を教育の基本としています。
お客様がベッドに横になる前から、セラピストの仕事は始まっています。
今回は、マッサージをこれから学ぶ方や、技術を学び直したい方に向けて、施術前に確認したい姿勢評価の5つのポイントをご紹介します。
1.なぜセラピストに姿勢評価が必要なの?

例えば、二人のお客様が同じように「肩がつらい」とお話しされたとします。
一人はデスクワークが多く、長時間同じ姿勢で過ごしている方。
もう一人は、立ち仕事や家事などで日常的に身体を動かしている方。
同じ肩こりというお悩みでも、生活習慣や身体の使い方、筋肉の緊張、動きの特徴は異なります。
だからこそ、すべてのお客様に同じ手順で施術を行うのではなく、その方の身体を理解することが大切です。
姿勢評価は、身体の状態を知るための一つの入り口です。
ただし、姿勢を見ただけで痛みの原因や身体の不調を特定できるわけではありません。
大切なのは、観察したことを手がかりに、お客様のお話や身体の反応と照らし合わせながら考えることです。
2.施術前に確認したい5つのポイント
ポイント① 肩の高さと左右差

最初に確認したいのが、肩の位置です。
お客様に自然な姿勢で立っていただき、正面や後ろから肩の高さを観察します。
左右の肩の高さは同じでしょうか。
片側の肩が上がっていたり、肩まわりに力が入っていたりしないでしょうか。
ただし、肩の高さに左右差があるからといって、必ずしも異常があるわけではありません。
人の身体にはもともと個人差があります。
大切なのは、左右差を見つけることそのものではなく、動きやお客様の感覚と合わせて確認すること。
「普段、こちらの肩に力が入りやすいと感じますか?」
そんな一言から、お客様自身が気づいていなかった身体の使い方について会話が広がることもあります。
ポイント② 頭・首・背中の位置

次に、横から身体を観察してみましょう。
頭が身体より前に出ていないか。
背中が丸くなっていないか。
首や肩まわりに無理な力が入っていないか。
デスクワークやスマートフォンを使用する時間が長い方は、頭や首の位置に特徴が見られることがあります。
しかし、見た目の姿勢だけで首肩こりの原因を判断することはできません。
例えば、頭が前に出ているように見えても、その姿勢が必ず痛みにつながっているとは限らないのです。
セラピストに必要なのは、「姿勢が悪い」と決めつけることではありません。
今、どのような姿勢を取っているのか。
その姿勢は楽なのか。
動くときに違和感はないか。
こうしたことを丁寧に確認する姿勢が、お客様の安心感につながります。
ポイント③ 骨盤・重心・立ち方
![]()
三つ目は、骨盤まわりと立ち方です。
お客様が自然に立ったとき、体重は左右の足にどのようにかかっているでしょうか。
片側の脚に体重をかけていないか。
膝を必要以上に伸ばしていないか。
身体を支えるときに、どこかに無理な力が入っていないか。
立ち方には、その方の習慣や身体の使い方が表れることがあります。
ただし、立ち姿だけから骨盤のゆがみや筋肉の状態を断定することは適切ではありません。
必要に応じて歩き方や簡単な動作も確認し、複数の情報から考えます。
例えば、腰まわりに重さを感じるお客様であれば、普段どのような場面でつらくなるのかを伺うことも大切です。
立っているときなのか、座っているときなのか、動き始めなのか。
こうした情報を組み合わせることで、より丁寧な施術計画につながります。
ポイント④ 肩や股関節などの動き
![]()
姿勢を確認したら、次は身体の動きを見てみましょう。
例えば、腕をゆっくり上げていただきます。
左右で上げやすさに違いはあるでしょうか。
途中で肩がすくんだり、身体を大きく反らせたりしていないでしょうか。
股関節まわりについても、無理のない範囲で簡単な動作を確認することがあります。
ここで大切なのは、可動域の大きさだけを評価しないことです。
「動かしにくさはありますか?」
「痛みや違和感はありませんか?」
お客様の感覚を確認しながら、身体の動き方を観察します。
痛みを我慢して動かしていただく必要はありません。
強い痛みやしびれ、急な症状などがある場合は、施術を優先せず、医療機関への相談をおすすめする判断も必要です。
安全に身体を確認できることも、セラピストの大切な技術です。
ポイント⑤ 呼吸と身体の緊張
![]()
五つ目は、呼吸と身体の緊張です。
呼吸は、お客様のリラックス状態や身体の使い方を知るための参考情報になります。
普段の呼吸は自然でしょうか。
肩を大きく持ち上げながら呼吸していないでしょうか。
身体に力が入り続けていないでしょうか。
ただし、呼吸の様子だけで自律神経の状態や病気の有無を判断することはできません。
大切なのは、お客様が安心して施術を受けられる状態かどうかを確認することです。
緊張しているように見えたら、すぐに施術を始めるのではなく、少しお話を伺う。
室温や体勢が合っているかを確認する。
必要であれば、無理のない呼吸を促す。
こうした小さな配慮も、お客様にとって心地よい時間をつくる大切な要素です。
3.姿勢評価で最も大切なのは「決めつけないこと」

ここまで5つのポイントをご紹介しました。
しかし、姿勢評価は、見た目の特徴から原因を当てるためのものではありません。
例えば、肩が高いからこの筋肉が硬いはず。
背中が丸いからここを強く揉めばよいはず。
そうした思い込みで施術を組み立ててしまうと、お客様の本当のお悩みを見落としてしまう可能性があります。
だからこそ、吉祥寺セラピストスクールでは、観察したことを一つの仮説として捉える考え方を大切にしています。
見る。
触れる。
考える。
そして、施術中もお客様の反応を確認する。
一つひとつの情報を丁寧につなぎ合わせていくことが、「見立てる力」を育てます。
4.技術だけではなく、お客様との信頼関係を育てる

セラピストの仕事は、身体に触れることだけではありません。
お客様のお話に耳を傾け、身体の状態を一緒に確認し、安心して施術を受けていただける関係を築くことも大切です。
「今日は前回より腕が上げやすそうですね」
「最近、お仕事で同じ姿勢が続いていませんか?」
そんな小さな気づきや会話から、お客様がご自身の身体に関心を持つきっかけが生まれることがあります。
もちろん、身体の変化には個人差があり、すべての不調が施術で改善するわけではありません。
それでも、自分の話を丁寧に聞いてくれること。
毎回、身体の状態を確認してくれること。
無理な施術や売り込みをしないこと。
そうした積み重ねが、お客様の信頼につながっていきます。
リピートしていただくことだけを目的にするのではなく、お客様にとって必要なケアを誠実に提供する。
その結果として、「またこの人にお願いしたい」と思っていただけるセラピストを目指したいと考えています。
5.吉祥寺セラピストスクールが育てたいセラピスト

私たちが目指しているのは、単にマッサージの手順を覚えたセラピストではありません。
お客様の身体を丁寧に観察できること。
触れたときの反応を感じ取れること。
解剖学や身体の仕組みをもとに、必要な施術を考えられること。
そして、お客様の気持ちにも寄り添えること。
吉祥寺セラピストスクールでは、少人数制の実技指導を通して、こうした力を育てることを大切にしています。
初めてマッサージを学ぶ方にも、すでに技術を学んだ経験がある方にも、「なぜ、この施術を行うのか」を理解していただきたいと考えています。
手順を覚えるだけでは対応できない場面でも、自分で考え、安全に判断できるセラピストへ。
吉祥寺から全国へ。
地域で長く愛され、お客様の心と身体に寄り添い続けられるセラピストを育てていくことが、私たちの願いです。
まとめ|マッサージは、触る前から始まっている

姿勢評価で確認したい5つのポイントは、次の通りです。
- 肩の高さと左右差
- 頭・首・背中の位置
- 骨盤・重心・立ち方
- 肩や股関節などの動き
- 呼吸と身体の緊張
これらは、お客様の身体を理解するための入り口です。
大切なのは、正しい姿勢を押しつけることでも、見た目から原因を決めつけることでもありません。
目の前のお客様をよく見て、話を聞き、触れて確かめ、その方に必要な施術を考えること。
技術の先にある、「見立てる力」を。
吉祥寺セラピストスクールでは、未経験からセラピストを目指す方、技術を学び直したい方に向けた体験講座・1DAY講座・専門コースをご案内しています。
お客様から長く信頼されるセラピストを目指したい方は、ぜひ一度、当校の学びに触れてみてください。
体験講座・1DAY講座・スクールのお問い合わせは、公式LINEからお気軽にどうぞ。
吉祥寺セラピストスクール
東京都武蔵野市・吉祥寺